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車に乗っていて「煽り運転」をされたら、ドライバーはどうすれば良い?
警察の発表によると2016年に「煽り運転」(あおり運転)摘発された件数は7625件に及び、そのうちの9割は高速道路上で行われていると言われています。
現在、あおり運転は高速道路で特に悪質性が高いとして、2009年から厳罰化されており、2017年現在以下のように定められております。
■高速道路での違反
- 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
- 1万円、1万5千円、2万円の反則金
- 違反点数2点
■一般道路での違反
- 5万円以下の罰金
- 6千円、8千円、1万円の反則金
- 違反点数1点
重いと言えば、重い。
死亡事故の原因となると思えば、軽い。
人それぞれ思うところはあるでしょうが、今後2017年6月に起こった神奈川県大井町の東名高速道路での事故がきっかけになって、さらなる厳罰化の可能性が高まっています。
煽り運転の被害者にはもちろん、加害者にならないためにも、今のうちから煽り運転について、しっかり知っておきましょう!
なお、煽り運転で人身事故を起こした場合は「危険運転致死傷罪」を適用されることもある、ということを忘れないでください。
ちなみに以下の動画のような運転は、かなり悪質な煽り運転の一場面です。
そもそも、どこまでが煽り運転なの? 煽り運転の定義とは?
- ハイビーム・パッシング・幅寄せなどによって相手を威嚇する
- 前方を走行する車に対して、道路を譲るよう強要する行為
- 特定のドライバーに対して運転中に嫌がらせをする
- 車間距離を詰めて特定車両を追い回す
- 車間距離を詰めて異常接近する など
ただし、上記はあくまで一般論であり、法律的には「これが煽り運転」という細かな定義は、今のところありません。
「○回パッシングをしたら~」や「車間距離を○メートル以内に~」という定義は、煽り運転には決まっていないのです。
煽り運転は危険運転の一種ですが、その煽り運転が原因でケガや死亡事故が起きない限り、現行犯以外では逮捕されるのが難しい、というのが現状です。
残念ながら、ドライブレコーダーでもつけていない限り、たとえ自分が煽り運転の直接的な被害者であったとしても、さまざまな犯罪同様に「証拠」を警察が見つけるのが難しいため、煽り運転を行ったドライバーは逮捕されません。
つまり、過去の飲酒運転同様に「やり得」がまかり通っているのも、この煽り運転が減らない原因の1つとなっているのです。
なお、運転中についイライラして上記のような行為を行っているのなら、それは立派な煽り運転行為です。重大事故を引き起こす前に、その危ない煽り運転を行うのは止めましょう。
[ひとくちコラム①]知らずしらずのうちに、煽り運転をしている場合も?
もしかすると、アナタも知らない内に「煽り運転」を行っているかもしれません。
流石にパッシングや猛スピードで前の車を追い回しているような状況は、自覚して行っているでしょうが、“車間距離”に関しては、きちんと守れている自信がありますか?
■高速道路での推奨車間距離
- 走行距離✕100m (100km/hでは約100m、80km/hでは約80m)
- 雨天時:走行距離✕100m✕2 (100km/hでは約200m)
■一般道路での推奨車間距離
- 走行距離-15m (60km/hでは約45m、50km/hでは約35m)
- 雨天時:(走行距離-15m)✕2 (60km/hでは約90m)
人によってはコレぐらいの車間距離でも「長い」と感じられるかもしれません。
しかし、ドライバーが危険を察知して、実際に車が止まるまでには、最低でも上記のような車間距離が必要となります。
つまり、裏を返せば上記の車間距離を守れていない車は、車間距離が近すぎるため、前方のドライバーから「煽り運転」を受けていると誤解されてしまっている可能性があるのです。
改めてアナタの車間距離、大丈夫ですか?
もしかすると、車間距離が近すぎて、アナタが加害者になっていることがあるかもしれません!
[煽り運転対策:予防編]トラブルを避けるために必要なこと
煽り運転を受けた時に、被害者であるドライバーも「この野郎、なに煽ってやがるんだ!」と、ついカッなってしまい、お互いに重大なトラブルに発展してしまう場合があります。
しかし、それは自分の時間を無駄にするばかりから、そのトラブルが発端となり、殺人事件に発展したケースもあるので、絶対に止めましょう。
煽り運転を行うかどうかは、アナタのあずかり知らぬところではありますが、煽られてしまったらそういうわけには行きません。
ということで、そもそも煽り運転に合わないための予防法を、対策の前にご紹介したいと思います。
[煽り運転予防法①]交通ルールを守る
煽り運転を予防するためにも、まず大切なのは交通ルールを守るということです。
もしかすると、煽り運転を行っているドライバーは
- アナタがムリな車線変更をしたから
- アナタが車間距離を積めすぎだから
- アナタが交通ルールを守らなかったから
これらの理由で、アナタに煽り運転をしてきているかも知れません。
ドライバーの人間ですから、運転を間違えることもあります。
ちょっとしたミスが原因で煽り運転の被害者になってしまうことがあるのですから、頃から交通ルールを守っていない場合は、交通ルールを守っている状態よりも、煽り運転の被害を受けやすくなってしまいます。
煽り運転の被害を減らすためにも、まずは安心・安全、交通ルールを守るようにしてください。
[煽り運転予防法②]車体にステッカーを貼る
煽り運転を行う人も「ドラレコ搭載車」「Baby in The car」などのステッカーが車体に貼ってある車に対して、わざわざ煽るようなことはしません(たぶん)。
絶対に煽り運転を無くせるとは言えませんが、車体に煽り運転を予防するステッカーを貼ることで、ある程度の煽り運転被害は減らせるかも知れません。
(上記動画のようなステッカーを貼れば、色んな意味で煽り運転は減ることでしょう……)
[煽り運転予防法③]高級車に乗る
煽り運転を行う側も人間です。
無茶な煽り運転をする一方で「事故を起こしたら、どうしよう?」「車を傷つけたら修理費が~」と俗物的なことを考えているものです。
当たり前ですが、安い軽自動車とヤ○ザが乗っていそうな高級車では、安い軽自動車の方が煽られやすいに決まっています。
煽り運転をかなりの確率で下げられるし、安い車よりも、見栄えも運転の楽しさも違う高級車に、この機会にいっそ乗り換えてみてはいかがでしょうか?
高級車であっても、中古ならお手頃価格で購入可能ですよ♪
以上が煽り運転を予防する方法ですが、ここまで注意していていも、煽り運転を
受けるときは受けてしまいます。
それでは次に煽り運転の被害にあってしまったら、どうすれば良いのかSTEPごとに具体的に解説します!
[煽り運転対策:対策編]トラブルに巻き込まれたら?
ひとくちに煽り運転と言っても、さまざまなSTEPがあります。
いきなり車間距離を積めてきたからと言って、警察に通報するのは、ちょっとやりすぎですし。
煽り運転をしていた相手が逆に車から降りてきた際には、穏便話し合いなんて出来ません。
今回は
- 煽り初期
- 煽り中期
- 煽り危険期
の3つのSTEPに煽り運転をわけて、それぞれの対処法をご紹介したいと思います。
[煽り初期]基本スルーの精神で!
軽いパッシングや車間距離をつめられた――人によっては、この時点ですでにイライラしだすかもしれませんが、このSTEPですぐにアクションに出るのは危険です。
もしかすると、相手は煽り運転と知らずに、アナタを煽っているかもしれないのです。
この時点で過剰に反応してしまうと、火に油を注ぐ展開になる可能性もあります。
車線を譲ったり、車間距離をもう少し取るようにするなどして、相手の出方を牽制しましょう。
[煽り中期]動画の撮影と警察への準備を……
コチラが車線を譲ったのにも関わらず、ずーっと車間距離を狭くしてずーっと煽ってくる。
逆に、自分の車の前でわざとトロトロと走り、時折不用意にブレーキを踏んでくる――相手は、無自覚ではなく、確実に悪意を持って、アナタに煽りをかけています。
このレベルの相手に対し、正義感を振り回しても悪い方向にしか進みません。
あくまでコチラは、悪くはありませんが、譲り合いの精神を発揮して、相手を先に行かせましょう。
またコンビニなど、退避できる場所があるのなら、そういった場所へ逃げ出すのも1つの手です。
しかし、そういった退避場所がない場合は、とりあえず証拠を抑えるために、前の車の挙動を撮影し、いつでも警察に通報できる準備を行ってください。
[煽り危険期]警察へ通報を!
相手が退避したのにも関わらず、しつこく追いかけ回してくる。
さらに危険な煽り運転をしてくる、このSTEPはアナタだけの力で対処できるレベルを超えています。
無用な争いは避けたいですが、降りかかる火の粉ではなく、すでにその火は飛び火し、そのまま放っておくと大火事となって、アナタの命を奪う危険性すらあります。
ココで車から降りて、相手と対話しようとする方もいらっしゃいますが、それは決してベストな選択ではありません。そもそも相手が話して通じるようなら、最初からしつこい煽り運転なんてしてこなかったハズです。
こちらが配慮しても、いつまでもしつこく煽り運転を続けるということは、つまりそういうことなのです。対話による解決は、到底不可能かもしれません。
だから、毅然と立ち向かうのではなく、警察という公的な力を利用しましょう。
すでに撮影した動画やドライブレコーダーの記録、現状で行われている危険運転は警察が逮捕するにたる、十分な理由となります。
自分の、そして同乗者を危険から守るためにも、速やかに110番通報を!
譲り合いの心を持って「基本スルーの精神」で、煽り車はスルーしましょう!
煽られた経験がある人からすれば、コチラになんの過失もないのにも関わらず、勝手に自分にケンカを打ってくる相手の精神が理解できず、腹立たしいことこの上ないですよね!
ただ、アナタの車を煽ってくる人にも、何かしらの理由があるかもしれません。
トイレに急いでいるや、身内の結婚式や病院に急いで行かなければならない。
或いは、遅刻しそうだ――など、身勝手な理由かもしれませんが、煽りをしてくる車に対して、そういった「配慮」が出来れば、気持ちも落ちつくし、無用なトラブルを避けやすくなります。
それに、いつまでもしつこく、ねちっこく煽り運転をしてくる人間は、かなり危険な人間である可能性が高いので、かかわり合いにならないに越したことはありません。
また、自分も知らずしらずのうちに煽り運転をしていないかな、と意識し、煽り運転の被害者にも加害者にもならないよう、改めて安全運転を心がけてくださいね!
[ひとくちコラム②]サイドブレーキをかけて煽り車を撃退はアリ?ナシ?
俗説として「車間距離をつめてくる煽り車には、サイドブレーキをかけて、追突させてやれ!」というものがあります。
確かに一方的に自分の車に煽られていることを考えると、サイドブレーキをかけて、相手の車を傷つけたい、事故を起こさせたいと思うのは、ある種自然な考え方かも知れません。
確かにサイドブレーキをかけたり、急ブレーキをかけて追突させた場合、第三者にバレなければ後方車は一定の車間距離を保つ義務があるので、100%相手の過失となりますが、故意に急ブレーキを掛けて追突させたことが判明した場合は前方の車にも過失が生じる、つまりアナタの車にも過失が問われる場合があるのです。
最近ではドライブレコーダーが普及しているので、アナタが故意にサイドブレーキをかけたことも、急ブレーキを踏んだこともすべて記録にとられているかもしれません。
そんなリスクを背負ってまで、わざわざ煽り車を撃退する意味はあるのでしょうか?
普段何気なく乗っている車は、人を傷つけることも出来る恐ろしい道具でもあるのです。
お互いに最悪の自体を避けるためにも、広い心をもって、安心・安全のドライビングライフを心がけてください。
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